【奈良 相談】地域団体商標と地理的表示
2023/06/28
今日は地域団体商標と地理的表示とについてお話します。
これらはいずれも地域産品の名称等を保護するための仕組みではありますが、所管省庁が異なるだけでなく、様々な相違点があります。
先ず、出願人の要件(出願人適格)が異なります。地域団体商標では通常の商標と同様に法人格が要求されますが、地理的表示では法人格は要求されません。そのため、法人格のない組合等でも地理的表示の登録申請を行うことができます。
また、産品の名称(商標)についても差異があります。地域団体商標では商標に地域の名称が含まれていることは必須要件となっていますが、地理的表示の場合には名称から産品の生産地が特定できれば産品の名称に地域の名称が含まれている必要はありません。
とは言いながら、一般的には地理的表示でも産品の名称に地域の名称が含まれています。
また、地域団体商標では商標の周知性の要件が課されますが、地理的表示では周知性の要件はなく、その代わり使用の伝統性が求められます。農林水産省は25年程度の使用の伝統性が必要であるとしています。
費用は、地域団体商標の場合には、出願時、登録時に費用が必要ですが、地理的表示では登録時にのみ費用が発生します。また、地域団体商標は通常の商標と同様に10年毎の更新登録申請が必要であり、その際に費用が必要になりますが、地理的表示は永続的であるため、更新手続きやその際の費用は必要ありません。
地理的表示では不正使用に対しては国が対処してくれるというメリットがあります。しかし、その反面、品質管理を徹底する必要があるため、団体や生産者の負担が増大するというデメリットもあります。
このように、地域産品の名称を保護するためには、地域団体商標と地理的表示という仕組みがありますが、いずれを用いるのが良いかはケースバイケースで異なってきます。
弊所は、地理的表示の支援をさせていただいた経験もあり、地域産品の名称の保護に関しての相談も承っていますので、お気軽にご連絡ください。
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