【奈良　意匠】新規性喪失の例外規定適用の手続きが緩和されます

令和5年6月14日に公布された「不正競争防止法等の一部を改正する法律」によって、意匠の新規性喪失の例外規定の適用を受けるための手続き要件が緩和される予定（現時点では施行日は未定）です。

本来、意匠登録出願前に、出願人がその意匠と同一または類似の意匠を公開した場合には、新規性を喪失するため、意匠登録を受けることができません。

しかしながら、それでは出願人に不利益が生じるため、新規性喪失の例外規定が設けられていました。

従来、新規性喪失の例外規定の適用を受けるためには、出願前に公開した全てについて証明書を提出する必要がありました。

弊所でも、１０件以上の証明書を提出したことがありますが、出願人に全ての公開についての情報を求めるのは非常に煩雑でした。

また、複数の公開があったときに、一つでも公開に関する証明書の提出が漏れていた場合には、その公開によって、出願が拒絶される可能性がありました。

今回の法改正では、最先の公開の日の一つの公開についてのみ証明書を提出すれば足りることになりました。

これにより、手続きが非常に簡素化され、証明書の提出漏れによって拒絶される可能性が低くなりました。

弊所では、既に公開した意匠についても適切に新規性喪失の例外規定を受けることによって、意匠権が取得できるよう手続きを進めさせていただきます。

意匠を公開した場合でも、意匠権の取得を断念せず、ご相談ください。