クローズ戦略とオープン戦略それぞれのメリット・デメリット
2023/07/20
現代ビジネスに欠かせない一つが、特許戦略の考え方です。自社技術を守り、競合他社との駆け引きを行うことで、ビジネスの成長を加速することができます。しかし、特許戦略において大きな選択肢が存在します。オープンイノベーションを採用し、他社との共同開発を促進することを選ぶのか、自社技術を秘匿してクローズな特許ポートフォリオを保有することを選ぶのか、考える必要があります。本稿では、特許戦略の選択肢について詳しく解説していきます。
目次
はじめに
はじめに、弊所では、お客様の特許出願や特許権に関する問題に専門知識を持った弁理士が対応いたします。特許出願から特許権の取得、その後の特許管理やライセンス契約まで、幅広いサービスを提供いたします。 特許は、新規性・進歩性を有する技術的な発明であり、権利を保有することにより、その発明者のみが製品の製造や販売を行えるという独占的な権利を持ちます。しかし、特許は出願や権利化において、多くの細かいルールや手続きがあり、自らが特許を取得しようとする場合には、多大な時間と労力が必要です。 こうした特許に関する問題や手続きを専門家が代理することで、クライアントは貴重な時間やリソースを削減することが可能となります。また、取得した特許権は、権利侵害や訴訟にも対応できるため、企業の成長に不可欠なものとなるでしょう。 弊所は、お客様のビジネス成長のパートナーとして、最良のサポートを提供いたします。特許出願から保全、介入や訴訟まで、幅広い専門知識と経験から、迅速かつ適切な対応をご提供いたします。お気軽にご相談ください。
オープン戦略
近年、オープン戦略の重要性が増してきています。オープン戦略とは、技術を自社で独占するのではなく、公開したり、ライセンスしたりすることにより、他社と共有する戦略を言います。また、他社と共同開発を行うことにより、より良い技術開発を行うこともできます。従来、自社で開発した技術は特許権を取得し、独占実施することが多く行われてきましたが、オープン戦略はその対極をなすものです。オープン戦略の目的の一つは市場の開拓にあります。オープン戦略を展開し、多くの企業が参入することで、自社単独では困難な、より大きな市場を開拓することができます。市場が小さければ、そこで自社が独占したとしても得られる利益は小さくなります。一方、市場が大きければ、独占できなくても大きな利益を得られる可能性があります。後者を目指すのがオープン戦略です。ただし、市場が大きくなっても競合が多く存在するため、大きな利益を得るためには、その大きな市場で優位性を保つことが重要となります。
クローズ戦略
クローズ戦略とは、自社技術を特許権によって保護したり、ノウハウとして秘匿したりすることを意味します。これは、従来の知的財産保護の手法です。クローズ戦略により、市場での優位性を保ち、市場をコントロールすることはできるかもしれません。しかしながら、上述したように、市場が小さければその市場をコントロールできたとしても大きな利益は期待できません。つまり、安易にクローズ戦略を採用すると、利益を逃す可能性が生じます。また、特許出願では公報発行によって、出願内容が公開されるため、特許出願とノウハウによる秘匿とのいずれが適しているかを判断する必要もあります。
オープン・クローズ戦略
上述したように、オープン戦略にもクローズ戦略にもメリット・デメリットが存在します。そのため、これらを組み合わせたオープン・クローズ戦略が重要になります。例えば、コア技術についてオープン戦略を採用して市場を拡大しつつ、その周辺技術についてクローズ戦略を採用してその市場での優位性を確保する等を行います。これにより、大きな利益を期待することができます。弊所では、このような特許戦略についてもご相談いただけます。